見た目だけでなく体験まで考えたエンジニアリング
こんにちは。TRYANGLEテクニカルチームの西丸です。
ECサイトにおいて「見た目が美しいこと」は購入意欲を促すためにもちろん大切です。しかしどれだけ見た目が良くても、ユーザーが迷ったり、重くて動作が遅かったりすれば売上にはつながりません。今回は、私たちが大切にしている「見た目」と「体験」の違い、そして“体験”を重視したエンジニアリングについてお話しします。
見た目と体験の違い
「見た目」とは、画面やパーツの美しさやデザイン性そのものを指します。
一方でUI(ユーザーインターフェース)は、「見た目」だけでなく、操作のしやすさや分かりやすさなど、ユーザーが実際に触れるすべての要素を含む、ユーザーとの接点全体を指します。
さらに、そのUIを通じてユーザーが感じる使いやすさ・快適さ・満足感といった体験のすべてがUX(ユーザーエクスペリエンス)となります。
つまり、「見た目」がどれだけ優れていても、UX、すなわち体験の質が伴っていなければ、ユーザーの満足度や売上にはつながりません。
本当に大切なのは、「見た目」ではなく、ユーザーにとって心地よい“体験”を提供することなのです。
見た目の良さだけでは売上につながらないECの現実
どんなに華やかな見た目でも、次のような問題があればユーザーはすぐに離脱してしまいます。
- アニメーションが多くてスマホで操作しにくい
- ページが重くて読み込みが遅い
- 商品選びや決済フローで迷わせてしまう
こうした問題が、いわゆる「カゴ落ち」や離脱の大きな原因となります。
体験の設計と体験視点のすり合わせ
私たちがエンジニアリングで大切にしているのは、「デザイン通りに作ること」や「クライアントの要望通りに作ること」だけではありません。その先にある、ユーザーの“体験”を想像し、最適化することです。
例えば:
- スクロールやスワイプの動きにストレスがないか
- ページの読み込みが遅くならないか
- SEOやパフォーマンスに悪影響が出ないか
- 上記を考慮したEC機能や技術の選定ができているか
といった視点で、チーム内やクライアントと会話を重ねます。JavaScriptで「できるけどページが重くなる」場合では、他の案(パフォーマンスに影響を与えない程度の実装案、ECシステム側での対応など)の提案も積極的に行います。
こうした“体験”の議論をリードすることで、現場でよくある「デザインと実装のズレ」を減らし、プロジェクト全体のクオリティを高めています。
“言われたものを作る”のではなく“提案できるエンジニア”へ
私たちは、単に「言われたものを作るエンジニア」ではなく、「ユーザーの体験までを考え、根拠を持って提案できるエンジニア」でありたいと考えています。見た目を整えるだけではなく、体験そのものをデザインし、チームやクライアントと一緒に価値を創り出す――そんなエンジニアリングを、これからも追求していきます。