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プロジェクトが進まない理由は「温度差」?ECディレクターができること

こんにちは。TRYANGLEディレクションチームの兼坂です。
ECの現場では、「関係者に施策内容の承認も取れたはずなのに、なぜかプロジェクトが前に進まない…」——という状況にしばしば直面します。
この“見えない停滞”の正体は「温度差」かもしれません。
ただし、ここでいう温度差は、個人の熱意や感情的な温度ではなく、“立場による目的や評価軸のズレ”です。
関係者それぞれが、自身の役割や責任のもとで異なる目標や判断基準を持っており、その違いが言語化・共有されていないことで、同じプロジェクトに対する見え方や優先度が大きく異なってしまうのです。
この構造的な温度差は、支援会社と事業会社の間に限らず、社内の各部門間や関係者間でも頻繁に起こります。

なぜ「温度差」が生まれるのか

前述の通り、温度差の原因は、「立場によってゴールや判断基準が異なること」、そして「その違いが言語化・共有されていないこと」にあります。

関係者ごとの視点の違い例

  • 担当者:自分が任されたKPIの達成や、日々の業務の効率性
  • 部門管理者:担当部署の数値責任、リスク管理、リソース配分
  • 経営層:全社最適、中長期の成長

このように、担当者・部門管理者・経営層では、それぞれ異なるゴール・関心・判断基準が存在します。
これらの視点がすり合わせが行われないまま進行すると、「表面上は合意しているのに進まない」という事態が発生します。

具体例:表面的な承認ではプロジェクトは進まない

たとえば、ある担当者が「別の部署と連携して売上を伸ばす施策」を提案したとします。
本人は前向きでも、部門管理者の視点では「その施策により担当部署の売上が下がるのでは」といった懸念が先立ちます。
そのため、施策自体は否定されないものの、日々の運用判断や優先順位では、実行に移されなくなっていきます。
一方、経営層は「全社最適につながる施策」として承認するものの、
部門管理者や現場の温度が追いつかないままでは、実行フェーズでプロジェクトが止まってしまうのです。

つまり、「承認されたのに進まない」背景には、評価軸のズレという温度差があるのです。

ディレクターができること:温度差を解消

わたしたちは、ディレクターとして以下の3つのアプローチで温度差を解消します。

  • 本質的な課題の掘り下げ:表層的な課題ではなく、事業全体で“本当の目的”を再定義する
  • 伝え方の最適化:立場ごとに“伝え方”を変え、納得と実行を促す
  • 言語化・可視化:目的や意図を資料に落とし込み、社内共有時のブレを防ぐ

例:
経営層には「中長期の成長」や「全社利益」
部門管理者には「担当部署のKPIに関わらない動きをどう評価するか」
担当者には「日々の業務効率化との関連性」
といった視点で表現を調整し、全体の理解・納得を促します。

共通の目的と目線あわせができたとき、プロジェクトは動き出す

プロジェクトの停滞を生む「温度差」は、立場ごとの目的や評価軸の違い、そしてそれが共有されていないことから発生します。
だからこそ重要なのは、「なぜこの取り組みをするのか」を全員が理解し、共通の目的・視点を持つことです。
TRYANGLEは、クライアントの目の前の課題に伴走しながらも、
「それは本当に事業成長につながっているか?」という視点を持ち、第三者として冷静に視点のズレを調整します。
それぞれの立場に応じた背景や意図を丁寧にすり合わせ、共通の目的と目線を持てるよう働きかけることで、
プロジェクトを実行可能な状態へと導きます。

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