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バランス設計で差がつく!商品マスタの“自由”と“統制”の最適解

最適バランスの見極め方

こんにちは。TRYANGLEテクニカルチームの久保田です。
EC運営の現場では「商品マスタは誰でもサクッと更新したい」という声をよく耳にします。ところが、自由度を上げ過ぎると属人化やデータ崩れが起こりやすい――そんなジレンマに悩むクライアントは少なくありません。

TRYANGLEでは、案件ごとに「運用体制 × 更新サイクル」を棚卸しし、最適なマスタ設計の“落とし所”をクライアントと一緒に引き直しています。本稿では、その考え方を次の3ステップで整理しました。

1. 運用体制は三者三様

エンジニア常駐・マーケ主導・多部署入力の3タイプを、特徴と課題でまとめました。

運用タイプ主な特徴代表的な課題
エンジニア常駐HTML/CSSを直接編集UI複雑化による属人化
マーケ主導CSV一括投入でスピード重視データフォーマット破綻リスク
多部署入力ブラウザフォームのみで完結入力ミス・表記ゆれの増加

ちなみに、弊社クライアントは「エンジニア常駐型」が多いようです。

2. 自由度の落とし穴

フリーエリア重視か項目固定か――下表で各パターンの強みとリスクをまとめました。

設計パターン強みリスク
フリーエリア多用何でも書ける柔軟性属人化・改修コスト増大
項目を固定品質を均一化例外処理が多くなることによる仕様の複雑化

3. バランスを取る2つの指針

バランスをとる2つの指針
  1. 編集頻度が高い要素 = 専用項目化
    価格・在庫・販売ステータスなど “常に変わる” 情報は専用フィールドに切り出すことで、差分検知とバリデーションが容易になり、誤更新率を約30%削減できた例もあります。
  2. 変化が読みづらい要素 = 小さなフリー入力
    期間限定バナーやLPへの導線など “施策ごとに変わる” 情報は、30~50文字程度のミニ入力欄に留め、HTML直書きは避けるようにしましょう。こうすることで、改修コストを4分の1に抑えた事例もあります。

まとめ & 次のアクション

商品マスタ設計に普遍的な正解はありません。大切なのは、

  1. 現場のスキルセットと更新サイクルを棚卸しすること
  2. 「今はここまで固定し、将来はここを拡張する」という設計線を引くこと

もし、次のようなサインが出ていたら要注意です

  • フリーエリアのHTMLが人によって書き方がバラバラなため一括更新ができない
  • CSV一括投入の失敗でロールバック作業が増えている
  • 「この項目を追加するだけ」でコード改修が発生している

ひとつでも当てはまるなら、設計を見直す好機かもしれません。
TRYANGLE では運用体制に合わせたマスタ設計の改善を多数支援しています。
「うちの場合はどう整理できる?」と感じたら、お気軽にご相談ください。